2024





金乗院



2024.01.06 SAT 天気:晴れ
7:45
 寒いなかですが、先日別荘のある那須に行ってきました。特に那須に行って何かやろうとか、何をして遊ぼうとかはあまり考えないで、気が向いたところに出かけて行って、
あるがままを楽しむ、それがいつものペースです。
 この日も東北道を上河内SAで降りて適当にドライブします。

 途中、羽黒山神社に立ち寄ることにします。
 羽黒山神社はけっこう山深いところにあって、細い林道をずっと登ってゆかなければなりません。でももう元旦からはかなり時間が経ち、しかも早朝ということで車はほとんど
通らず、展望台近くの駐車場まではスムースにたどり着きました。
 こちらの神社、名前が同じなのですが、山形県の羽黒山とは直接の関係はないようです。



 標高が約460mほどの山の山頂近くに建てられており、駐車場からもけっこうな数の階段を上って参拝することになります。
 栃木県での最初の初詣は羽黒山神社。
 とっても厳かな雰囲気で、社殿の木彫がすごい。毎年11月には300年前ほど前から続く梵天祭が行われてたいそう賑わう。その創建は康平年間(1058~1065)で宇都宮氏の
初代当主 藤原宗円によるものとされています。上河内で篤く崇敬され続ける存在で、愛称は「おはぐろさん」。



 山頂の駐車場近くには展望台があって、北関東一円を展望できます。
 左手に見えるのはおそらく筑波山、付近に遮るものがないので、地球がなんとなく丸いことを感じることができるぐらいです。早朝だとこの景色も独り占めです。

 

 石鹸のような香りを感じて上を見るとロウバイが咲いていました。
 黄色い枯葉のなかではその存在に気付かず、まずは香りで気づく。そして青い空に映える黄色が美しい。



 ロウバイは1本でなく、100m近くにわたってロウバイのアーチができていた。
 この日の始まりは最高でした。



8:55
 羽黒山神社に行った後はもう一度東北道自動車道に乗り直すことはせず、そのまま箒川に沿って那須高原を目指します。天気も良いし空気も乾いていてドライブには最高です。

 

 寄り道したのは川崎城址です。
 川崎城は鎌倉時代(約800年前)に塩谷地方を領有していた塩谷氏の5代朝義が宇都宮業綱の次男朝業を後継者に迎え築城した川崎城の跡地を整備した公園です。
この地で那須氏などとの戦いが幾度となく繰り広げられたという。規模の大きな半山城で、今も空掘や土塁、本丸や二の丸などの遺構がはっきりと残っています。

 この日は梅などが咲いているかと期待したのですが、まだまだ全然速かった。みんな凍り付いていて、霜柱がザクザクしてました。





9:40
 途中、矢板を通過したのですが、たまたま見つけたのは矢板市立郷土資料館です。もと小学校の跡地につくられたという矢板の歴史や文化が学べるという施設でしたが、
残念ながら現在資料の大規模整理をしているということで休館中でした。
 ただ展示内容は「矢板市デジタルミュージアム」からその概要を知ることができます。



 このあたりはとっても歴史ある地区のようで、矢板市内でもけっこう栄えていた場所らしいです。
 ということで少しだけ周辺を散歩してみました。その昔、このあたりを東武鉄道の矢板線が通っていたということだけど、その痕跡は分からなかった。



「関谷街道」に沿って街並みは続き、ものすごく立派な構えの家が何軒もある。こんな立派な門だと、なかに2家族ぐらい住めちゃうだろうな。
 東武矢板線が廃止になったのは1959年、今は資料館となった上伊佐野小学校の廃校が2009年、やはりこの周辺の人口は少しずつ減ってきているんだろうと思う。





10:20
 少し北上して那須塩原市に入る。
 こちらは嶽山箒根神社高清水です。創建は806年、鳥居の左手に並ぶのは歴代の領主の墓だという。それほど大きな神社ではありませんが歴史を感じる佇まいです。

 

 何よりご神木をはじめとする杉の巨木の存在感がすごいです。





10:40
 この一帯は箒川や内川など、那珂川水系・荒川水系の河川が何本もあって昔から豊かな穀倉地帯でした。ただそれゆえに領地を巡る戦は何度となく繰り返されてきた。
 こちらは野沢城址、塩谷氏の支城だったところです。1584年に大田原氏に攻められて落城したと説明にあります。一見、平坦に見えますが、ここは曲輪だったところで、
ここにやってくるには苔生した急な階段を50mほど登らないといけない。

 建物の方は912年創建の箒根神社で、もともとは平地にあったものの洪水の被害を受けて城址に再建されたものだという。





 こちらは要金寺、一見すると地元密着のよくあるお寺さんでが、すでに1000年近い歴史があるという。
 こちらのお寺は全く観光とは無縁なのですが、その境内はすごく整った庭園のようで見応えがあります。さほど広くはない境内ではありますが、鐘楼や仏像、起伏ある
境内や池、滝など一流の人物が造園したって感じがします。



 新年なので、真っ赤な衣を皆さんお着換えしてました。



 別に観光地じゃなくても、歴史のあるところを巡るのって面白い。原因と結果が結びついて、なるほどって頷けるときが嬉しい。なぜならその時、その時代の風景を思い
浮かべることができるからです。想像力は時代を越えてトリップできる手段です。




12:10
 那須は基本的に避暑地として知られていて、特に11月の紅葉のシーズンが終わると3月になるまではとっても静かです。だからこの期間はお休みというお店も多いです。
 今回はそんな冬の那須でおすすめのスポットをご紹介します。もちろん自分のおすすめスポットというのは、ドール撮影に向いたという意味ではありますが。






 こちらはコピスガーデンです。基本はお花屋さん+フラワーパーク+レストランみたいなところです。フラワーパークは普段は有料なのですが、冬のこの時期は無料で公開しています。

 

 凍り付いた池やドライフラワーになった花壇がなかなかに渋い。葉の落ちてしまった林からはひたすら青い空が覗き、バードウォッチングもできる。



 こんなところにお友達が隠れてました。

 

 これが春になると一気にモネの絵画のような空間になる。





12:45
 那須高原は様々なアーティストの住むところとして知られていて、ギャラリーや年に何回かのイベントでその作品を見ることができるだけでなく、ちょっとした喫茶店やバー
などでもそれらを展示していたりします。
 さてその一つギャラリーバーンに今回も立ち寄りました。
 現在はオーナーの清野さんの作品を中心とした常設展を開催中です。

 

 

 こちらは動くおもちゃシリーズの一つではばたく飛行機、空を飛ぶもののメカニズムをいったんすべて開放して組み立て直した感じです。こういう「天空の城ラピュタ」に出て
きそうなものがいっぱいある。



 こちらは以前からある蒸気機関車シリーズです。完成度が高くって、本当にモデルになったものがありそうに見える。実際には存在しませんがリアル感がすごい。機械の本質をとらえて
再構築する、この構成力とアイディアが秀逸です。



 こちらも評判の立体コラージュ的な作品です。
 こういう作品は、失礼ながらある意味ガラクタの再生品なわけで、実際には使うかどうか分からないようなものを大量にストックしておく必要がある。そしてそこからいくつかを選んで
組み直すという発祥の豊かさが必要です。

 こういう発想力の高いものを見るとジオラマづくりのヒントになったりします。モノつくりの道に入り込んでしまった方にはとっても参考になると思います。間違いなくものを見る目が進化する。



 こちらも以前よりあるペーパークラフトの家シリーズですが、以前とは変わった。何が変わったかというと、以前はすべて床やテーブルに置かれていたのですが、それを壁に取り付けて光で
魅せるように工夫している。



 こちらは高さ10cmの小さな作品ですが、2つのスポットライトで影をつくっている。
 もう完全に目から鱗です。



 現在多くの美術館は暖色系のやや暗い照明を使っている。LEDになって紫外線の影響も少なくなっているはずなのに、ここは変わらない。
 もしも美術館の照明が舞台照明のように変化させることができたり、自然光を使うことができるようになったら、そこにある作品の見え方は当然変わってくるだろうし、
最終的には作品制作も変わる可能性があると思います。



 

13:50
 話はまたドール撮影ポイントの話に戻ります。
 今日二つ目の撮影ポイントに選んだのはアジアンオールドバザールです。アジアンオールバザールはバリ、ベトナム、タイ、ネパール、インドの5カ国のテーマが異なる
ショップがあって、それぞれで衣料品や雑貨が買えるというもので、レストランも併設されている。
 ご覧の通り異国情緒がたっぷりで、簡単に海外旅行に出かけたような写真が撮れます。



 たとえばこんな感じです。
 ただ結構な人気店なので、できるなら平日に訪れたいところです。



 



14:25
 最後は那須ステンドグラス美術館です。英国のコッツウォルズ地方にある中世の貴族の館を模した美術館で、自分は2回ぐらい入ったことがあります。もちろんステンドグラスを
はじめとする装飾やパイプオルガンの演奏が素敵なところなんだけど、お庭の散歩だけでも十分に楽しいです。 (入館しなくてもショップ利用やお庭の見学はOKです)



 この時期は人の少ない分、のんびりとこういう施設を回ることができます。
 なんか半日で世界旅行をしたような写真が撮れちゃいました。







17:25
 今日もいつもの殻々工房にやってきました。この黒板のメニューを眺めているだけで幸せになれます。

  

 ニョッキのクリームソースが抜群に美味しい。
 お酒はメイエールのアルザスウイスキー ピノアール フィニッシュが抜群のバランスで美味しかった。連れの注文したのはザクロのカクテルで、
味はもちろん見た目と舌触りが抜群に良い。



 お年玉にチョコレートいただきました。
 また今年もよろしくお願いします。





2024.01.07 SUN 天気:晴れ
6:20
 最近我家でブームになっているのが、夜明け前に朝ご飯を持って景色の良いところで、夜明けの風景を眺めながら朝食をいただくというものです。
 那須から自宅のある神奈川に戻る日の朝、買っておいた朝ご飯をレンジで温め、クーラーボックスで保温しながら東那須野公園を目指します。



 とっても寒い日だったので、朝食は車のなかです。
 こんな感じで夜明けの景色を眺めながらの朝食は最高の贅沢だと思う。



 とっても寒い日だったのですが、きれいな風景についついお散歩に行って見ようかな、などと思ってしまった。

 

 田んぼの真ん中にそそり立つ地蔵堂、下から見ると迫力がある。
 こちらは金乗院というお寺の奥の院になっているそうです。総けやき造りの建造物で施された木彫も見事です。
 太陽の光がようやく地面まで下りてきて、延々と続く田んぼを黄金色に照らす。



 金乗院は奥之院から400mほど離れたところにあります。
 寺伝では806年に弘法大師がここを訪れた際、地蔵尊の霊夢に会ったことから一夜の内に自ら尊像を刻み、この地を霊場と定めたところからお寺の歴史は始まったという。



 境内はそれほど広くはないけれど、いくつもの地蔵尊や不動尊、大日如来が安座していて見応えのある佇まいです。



 そして毎年6月28日に開催される「那須波切不動尊火まつり」では全国より行者が集まり、多くの参拝者で賑わうといいます。





8:00
 東那須野公園に戻ってきたら南東斜面の牡丹の並木道が赤く彩られていた。
 極寒の冬の朝、こういう朝のお散歩も悪くないと思いました。







2024.01
camera: Panasonic DMC-TZ-60/ graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



サイトのトップページにとびます